さぷりぶねっと|暮らし、もっと豊かに、もっと楽しく

さぷりぶ店です! 「マンションの買い替え」を3つのケースでお送りするウェブ連載ストーリー

イエステーション さぷりぶ店です! 〈前回までのあらすじ〉
札幌の分譲マンションの街「さぷりぶタウン」。この街を専門に担当する不動産仲介の店「イエステーションさぷりぶ店」にはさまざまな相談や依頼が寄せられていた。住宅ローンの返済を負担に感じていたC谷は、家を売却することでローンを完済しようと考え、裕也に自宅の査定を依頼していた。しかし、査定価格がローンの残債を600万円以上も下回っており、売却は断念せざるを得なかった。いよいよ返済が難しくなったC谷は裕也を訪ねる。不在の賢一に代わって、悪戦苦闘する裕也の対応はいかに・・・?
登場人物紹介

《最終話》「前向きな売却と後ろ向きの売却?」の巻

3件目〈C谷氏〉

裕也
   
  C谷さん、確かに今の状況では単純に家を売却することはできませんね。  
   
C谷
そうですよね…。うちのマンションの今売れる価格が1,850万円位で、ローンの方はまだ2,480万円ありますからね…。杉山さん、この差額って、どうしても売却と同時に払わなくてはいけないものなんですか?
裕也
そうです。家を売却する時には前の持ち主の名義だけじゃなく、抵当権(前の持ち主がローンを借りた時に金融機関に担保として提供したという印)も全て消して、まっさらの状態で買い手に渡すことが原則になってるんです。
C谷
そうか、前の持ち主の抵当権が付いたままの家なんて、誰も買いませんよね。
裕也
そうですね。でもC谷さん、とにかく今のままでは本当にまずいですよね。
C谷
ええ、もうすでに1ケ月以上、ローンの返済が遅れていますし…、これから先も当月分全額は払っていけそうにないですし…。
   
  C谷さん、今までずっと順調に返済してきたのに、ここにきて急に状況が変わったのはどうしてなんですか?  
   
裕也
C谷
杉山さん、実は…、こうなってしまうまでにはいろいろとありまして…。あのマンションを買ったのが10年前で、今から思えば我が家が一番ゆとりのあった時だったのかもしれません。私の収入もそれなりに安定していましたし、子供も、うちは男2人なんですが、まだ小学生と中学生でした。家内も半分趣味みたいにパートの仕事をしていましたので、ローンの返済も全く負担には感じていなかったんです。
裕也
返済額自体もゆとり期間でしたから、今の3分の2位の金額でしたもんね。
C谷
ええ。でも、そこからどんどん状況が変わっていったんです。ちょうど6年目のゆとり期間が終了した時に、私がリストラにあって、子会社の方に転属になったんです。その時、上の子は大学で、下の子が高校生でした。いきなり収入は減って、逆に家の返済額は1.4倍になり、子供の教育費の方は年々増えていきました。
裕也
失礼ですが、その時の年間の収入はどの位だったんですか?
C谷
それまでは、私の収入と家内のパート代で800万円位の手取りだったんですが、子会社に移ってからは、200万円位手取りが減りました。
裕也
ということは、600万円位の手取年収になってしまったんですね。
C谷
ええ、そうです。収入の方は今でもほとんど変わっていませんけどね…。
裕也
ゆとり期間と税金の控除期間が終了した後での年間の住宅費(ローンの返済額や管理費、修繕積立金、駐車料金、固定資産税の合計額)は205万円でしたよね。つまり、C谷さんの住宅費が手取年収に占める割合(住宅費比率)は…、“34%”ということですよね。
C谷
確かに、収入の3分の1位は家の関係の支払いに消えていると思います。
裕也
C谷さん、一般的にC谷さんのお宅のような収入と家族構成の場合、住宅費比率は20%位までが目安だっていうことなんですよ。それが34%とは…。
〈C谷宅〉の購入当初と6年目以降の住宅費比率
C谷
ええ、ここ5年間は家内も私も必死にやりくりしてきました。
裕也
あ、でも、上のお子さんはもう社会人でしたよね。それなら少しは家計の方も助かってくるんじゃないですか?
C谷
それが…、いまだに就職もしないで、たまにアルバイトをする程度なんです。
裕也
フ、フリーターですか?でも、お子さんだって家の状況はわかっているんじゃないんですか。
C谷
いや、私たちが甘やかしてしまったものですから…。