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さぷりぶ店です! 「マンションの買い替え」を3つのケースでお送りするウェブ連載ストーリー

イエステーション さぷりぶ店です! 〈前回までのあらすじ〉
札幌の分譲マンションの街「さぷりぶタウン」。この街を専門に担当する不動産仲介の店「イエステーションさぷりぶ店」にはさまざまな相談や依頼が寄せられていた。ある日、裕也は3件の査定の依頼を受けるが、3件ともローンの残高が査定金額を大きく上回っており、その先の提案に行き詰まっていた。賢一の同行で再び訪問した1件目のA山宅は、家族が増えたために広いマンションへの買い替えを希望。600万円以上の持ち出しと支払いに無頓着なご主人に対して賢一が打ち出す買い替え計画とは…?
登場人物紹介

《第3話》「返せるんだからいいんだよね?」の巻

1件目〈A山宅〉

賢一
   
  A山さん、今回の買い替えの件、ぜひ当社に任せてください。  
   
賢一
A山
何とかしてもらえるんですか?それならぜひお願いしますよ。
賢一
分かりました。ところでA山さんは今の会社にお勤めになって何年になりますか?
A山
えーと、14〜15年になるかな。
賢一
なるほど。それでは今現在はローンやその他の支払いには無理はないんですね?
A山
家内がちゃんとやってくれてるようだから大丈夫だと思うけど。
裕也
A山さん、お小遣いとか減らされてませんか?
A山
アハハ、ちゃんともらってるよ。
賢一
そうですか…。ゆとり返済といっても支払額が上がってからも問題なく払っていけるんならそれで大いに結構ですからね。
A山
そういえばさっき、うちの支払額が増えてるって言ってたけど…。
   
  そうそうローンだけで1.4倍でしたよね。  
   
裕也
裕也
賢一
   
  そうなんです。住宅に関した費用も含めて図にしてみると一目瞭然です。  
   

〈A山宅〉の購入当時と現在(10年目)の住宅費の比較表
A山
うわぁ、なんだかんだで1.65倍!
裕也
普通のお宅だったら完全にギブアップですよね。
A山
店長さん、でも、また何でこんなに増えちゃうんですか?
賢一
いろんな状況が一気に重なってしまったようですね。
裕也
え〜と、修繕積立金の値上げと固定資産税が6万円も増えて…、あと住宅ローン控除がなくなったのも大きいですよね。
賢一
一番の理由は国の政策にそのまま乗っかる形で購入してしまったということです。
A山
えっ、“国の政策”が原因なんですか?
賢一
政策そのものではなくて、要はタイミングなんですが…。まず固定資産税は建物分の税金の優遇期間が5年で終わったために6年目から正規の税額になったんです。それと住宅ローン控除はこの当時は6年間しか受けられなかったので7年目からは控除はなしです。
当初5年間と6年目以降の固定資産税額
裕也
税金面の優遇って購入した当初だけなんですね。
賢一
そう、マイホームの購入を後押しするのが目的の制度だからね。
A山
そして返済の方もゆとりの期間が5年で終わって6年目からは1.4倍というわけか。
賢一
A山さん、そのゆとり返済なんですが…。平成5年度と6年度の2年間だけは”特別なゆとり返済“になっているんです。
A山
えっ、”特別なゆとり返済“ってどういうことですか?
賢一
一般的なゆとり返済では当初5年間は50年返済の支払額に設定するんですが、この2年間だけは75年返済での支払額に設定していたんです。
A山
な、75年返済?どうしてそんなことになったんですか?